2020年(1期)~2021年(4期)9月12日まで開催された「大銭湯展」のレポートです

現在の江戸東京たてもの園のイベント内容はこちらからどうぞ。

https://www.tatemonoen.jp

 

銭湯に行ったことはありますか? 最近いつ銭湯に行きましたか?

日本で江戸時代に発達した銭湯は、江戸で人々の憩いの場として広まり、明治・大正・昭和の東京で、生活に欠かせない施設としてくらしに深く根付きました。
そして、時代とともにその姿を変えながら、今日まで存在してきました━━ “ぬくもりと希望の空間~大銭湯展”パンフレットより

東大寺の大湯屋/1408年(鎌倉時代):東大寺

銭湯の歴史は古く、平安時代の末には湯屋、鎌倉時代にはすでに銭湯という言葉が記録されているそうです。江戸時代の銭湯は蒸気とお湯で体をあたためる半蒸気浴が主流。現在のサウナに近いイメージですね。

(『賢愚湊銭湯新話』浴槽/『賢愚湊銭湯新話』柘榴口:国立国会図書館蔵)

銭湯行事の様子。銭湯には1月の松の内から大晦日まで20の紋日があり、普段より少し多めの料金をおひねりにして番台へ。銭湯ではお茶などを振る舞ったそうです。(1868年・睦月若湯乃図:江戸東京博物館蔵)

幕末頃の女湯の様子(1868年・時世粧年中行事之内 競細腰雪柳風呂:江戸東京博物館蔵)

お湯を沸かして、一定の温度に保つための設備に関する技術文書(1831年・新規工夫湯屋用釜弘方願書:江戸東京博物館蔵)

江戸後期の銭湯の平面図(湯屋の見世・土蔵・住居平面図:江戸東京博物館蔵)と幕末の銭湯経営について書かれた書物(1867年・銭湯手引草:江戸東京博物館蔵)

明治初め頃の銭湯2階の様子。男湯から上がる階段を登ると男性たちの遊興の場だったそうです。(風俗画報 明治38年3月号・1905年/時事漫画 第311号・1927年5月:江戸東京博物館蔵)

初期ロットのみの白いケロリン桶(1963年・徳和商事/内外薬品:足立区玉の湯蔵 富山めぐみ製薬許諾)と、元祖入浴剤の看板(江戸東京博物館蔵)ちなみに、関西のケロリン桶は東京のものより5cm程度浅いそうです。

野外博物館東ゾーンの様子。もちろん銭湯の建物も!

三省堂文具店に小寺醤油店

大正期から昭和初期の建物が移築されている東ゾーン。正面が足立区千住元町にあった銭湯子宝湯です。東京の街の中でもとりわけ存在感のある「宮型」の建物。その理由は広い空間が必要なため。関東大震災の後から宮大工の建築技術を用いて作られたそうです。

子宝湯の内部も復元されています。

スタンプラリーもGET!

パンフレットには、銭湯の歴史そして、銭湯新時代まで展示物の写真もあり、内容も充実です。展示室入口の受付にて無料で配布してもらえます。

銭湯に関する歴史と貴重な資料、歴史的な建物の数々を楽しめた1日でした。

協力:江戸東京たてもの園

公式HP:https://www.tatemonoen.jp/

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